だんご虫ヒーロー。
適当にパンを焼いて、お気に入りのイチゴジャムを塗って頬張る。
スープは作るのがめんどくさかったからインスタントで済ませ、あたしは今の最低の母親に出くわさないように早めに家を出る。
『…死ぬなら、ちゃんと死になさいよ』
二人と話をして家に帰って、母親に言われた言葉がこれだった。
以前のあたしならこう言われても、無視して睨むだけだった。
「…死ぬのやめたの。あんたみたいな母親の言いなりになるなんて、一生の恥だから」
こう言い返してやったら、すごく怒ってた。
でもあたしは全然気にならなかった。
むしろ言いたいこと言えて、清々しかった。
しばらくずっと部屋のドアを強く叩かれてうるさかったけど。
久しぶりの学校を見上げる。
あたしは一歩踏み出して、校門を通る。
「…ほら、あの子だよ」
「あぁ、先輩達を金でつったっていう?」
「前もそういうことしてたらしいよ」
「…そうなの?サイテー」
四方八方から聞こえるあたしの噂。
久しぶりに学校に来たらこの噂も消えてるかと思ったけど、噂はやっぱすぐには消えない。
自分の噂を耳にしながら下駄箱に到着。
あたしの噂はどこに行っても、聞きたくなくても聞こえてきて。