だんご虫ヒーロー。



「…でもいいなー、好きな人を追いかけるとか。
あたしも恋したい」



大きくため息をついて天井を見上げる紗奈。



何を言っているのだろう、この子は。



「紗奈にはいるじゃん、斎賀くんが」



当たり前のように言ったつもりだったけど、紗奈は驚いて立ち上がった。



「…な、何言ってるの!?あいつとは何にもないから!
第一す、好きじゃないし!あんなストーカー紛(まが)い!」



これが俗に言うツンデレというやつか。



紗奈の顔が真っ赤。



これはもう脈ありかもよ?斎賀くん。



こんな感じで紗奈とはたくさん話した。



夕食を食べながら、寝る前に、電気を消してからも話した。



話すことなくなるんじゃないかと思ってたけど、そんなことはなくて。



私達は寝るまで話した。



紗奈とのお泊まりはとても楽しくて、私の思い出の中の一つになった。


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