だんご虫ヒーロー。
「…あ、斎賀くんだ」
私が言うと、地獄耳の斎賀くんはこっちを向いた。
紗奈はピクッと反応して、頬を赤くした。
「…篠山に栗丘さん、それに……紗奈」
斎賀くんに名前を呼ばれたら、また紗奈はピクッと反応した。
頬がさっきよりも赤い。
「…そういえば斎賀くんはどこの大学行くの?」
綾女は思いついたように手を合わせて、斎賀くんに尋ねる。
斎賀くんは顔を真っ赤にしてる紗奈を見て困ったように笑うと、綾女を見た。
「…野球をしたいから、上京して野球のチームに入る。
会社で働きながら、野球する」
チームはまだマイナーなところだけど。
斎賀くんは苦笑いして、人差し指で頬を掻いた。
紗奈は知ってたみたいで、寂しそうに眉を下げた。
紗奈は地元の美容系の専門学校に行く。