だんご虫ヒーロー。
これで最後だから…
指を絡めて夕里と手を繋ぐ。
途中で花屋に寄って、供えるための花を買った。
そしてそこにあった桶に水を入れ、柄杓も持って目的地へ向かう。
名前を見つけると立ち止まって、一通り見渡す。
「…会いに来るの遅くなってごめんね、彼方」
お墓に向かって微笑む。
ここは墓場。
そしてこれは彼方が眠るお墓。
りか達や紗奈のことが終わってから来ようと思ってたら、こんなに遅くなってしまった。
キュッと夕里の手に力が入った。
私は買ってきたお花を彼方のお墓に供える。
そして両手を合わせて目を閉じる。
全てが片付いたら来ようと思ってたけど、本当はちょっと来るのが怖かった。
またあの時の悲しみや彼方との愛しい過去を思い出してしまうから。