だんご虫ヒーロー。
ゆっくりと目を開けると、夕里が私の顔を覗き込んでいた。
「……もういいの?」
優しく微笑みかける、夕里。
私はコクリと頷いて微笑み返す。
そしてもう一度、彼方のお墓に微笑むと夕里の手を繋いで歩き出した。
「………李…ちゃん?」
「……え?」
向かう先に立っていたのは、彼方のお母さんだった。
久しぶりに会った。
最後に会ったのは彼方が亡くなった時だから、もう2年くらい会ってない。
おばさんはニコッと笑って彼方のお墓にやってきた。
「…久しぶりね、李ちゃん。
2年も見ないうちに随分と大人っぽくなって」
おばさんの言葉に、つい照れてしまう。
おばさんも自分で持ってきた花を、彼方のお墓に供える。
そしてしばらく手を合わせて目を閉じている。
「…彼方、李ちゃんが来てくれたわよ。
よかったわね」
おばさんは笑顔で彼方に話しかけていた。