だんご虫ヒーロー。



おばさんが立ち上がって、何かを思い出したように私の方を向いた。



「…そうそう。ずっと李ちゃんに渡したい物があったのよ」


「…私に……?」



首を傾げると、おばさんはえぇと言って頷いた。



そして持っていたバッグから何かを探している。



「……この前、彼方の遺品を整理していたら出てきたの。
これは李ちゃんに渡した方がいいと思って」



そういっておばさんが私に差し出したのは、青い封筒の手紙だった。



封筒の真ん中には『李へ』と書かれていた。



この字は間違いなく彼方の字だ。



字を見ただけで涙が溢れそうになる。



「いつか李ちゃんが彼方のお墓に来た時に渡そうと思って、いつもお墓に来る時は持ち歩いていたの。会えてよかったわ」



おばさんの優しさにジンと胸が熱くなる。



私はおばさんから手紙を受け取ると、おばさんはすぐに帰ってしまった。


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