だんご虫ヒーロー。
私は手紙を抱き締めるようにして、両手で持つ。
「…夕里……これで最後だから……これで彼方のことで泣くのは最後にするから……だから……っ」
今は泣かせて?
この言葉を言うことなく、私の目からは涙が流れ出した。
笑って?と、彼方の手紙には書いてあったのに。
笑えないよ、彼方がいないと笑えないよ。
すると隣にいた夕里が私を引き寄せた。
「…最後にしなくていいんだよ?李。
泣く時はどんな時でも、誰の時でも泣いていいんだよ。
ただ1人で泣かないで?
ちゃんと俺の隣で泣いて。そしたら俺が李の悲しみを包み込むから」
優しく頭を撫でてくれる、夕里。
ありがとう、ありがとう、夕里。
あなたが私の泣く場所になってくれるのなら、私もあなたの泣く場所になるよ。
私も夕里の悲しみを包み込んで、共に歩んでいくよ。
そう思いながら、私はただ声を押し殺して静かに泣いた。