だんご虫ヒーロー。
しばらくすると涙も止まり、視界も涙で滲まなくなった。
「…もう大丈夫?」と私に言うように夕里が私の顔を覗き込む。
それに私は微笑んで返事をする。
そしてもう一度、彼方のお墓を見つめる。
「……彼方。彼方との今までの約束は終わってしまったけど、私はこれからも困ってる人を助けるよ。
これが私だから。
だから彼方、私を見てて?
彼方との最後の約束は、死ぬまで守ると誓うよ」
大切な彼といつまでも一緒に笑い合う。
この約束は絶対、何があっても守り通す。
この先、彼方が生きていた証を私の笑顔で残していくよ。
だから彼方も笑ってね?
彼方の笑顔が、私の生きる、人助けをする勇気になるのだから。
ありがとう、彼方。
さよならは言わない。
だってこれからも彼方が傍にいるんだから。
だからこれからもよろしくね?彼方。
そう思うと優しい包み込むような風が、私と夕里の間を吹き抜けていった。