だんご虫ヒーロー。




賑やかな結婚&妊娠お祝い会は、私達の家に熱を残してお開きになった。




「…はぁ、疲れた」




全員を見送ってきた夕里がリビングに戻ってきて、私の隣に座る。




「…疲れたけど、すごく楽しかったし、皆がお祝いしてくれてすごく嬉しかった」




ニコッと夕里に笑顔を見せると、夕里はふっと笑って私の頭を撫でた。




結婚してもう7年近く経つのに、夕里の笑顔にいつもドキッとしてしまう。




私は照れを隠すようにして話を切り替える。




「…あ、そ、そういえばね!?斎賀くんが今度一軍に入るんだって!それで一軍に入ったら、紗奈にプロポーズするみたいなの!」




「へぇ、あの無口な宏輝がなー。これは楽しみだ」




私の肩を引き寄せて、グッと距離を縮める夕里。




私は嬉しくて夕里の肩に頭を乗せる。




「…李。聞いて欲しいことがあるんだ」




「う、うん。何……?」




夕里は私の両肩を掴み、私と向き合った。




いきなり夕里が真剣な表情になるから驚いた。




すると夕里はポケットから何回にも折られた紙を取り出し、私に渡してきた。




よく分からずに、紙を開く。




ゆっくり紙を開くと、そこには二文字の漢字が書かれていた。




書かれていた文字は『嘉子』。




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