だんご虫ヒーロー。



私は"触らないで、あなたみたいな人は嫌いなので。"と訴えかけるように軽く睨むようにその人を見て、さっき歩いてきた廊下を引き返した。



「す、李待ってよ~!!」



私の後からついてくるのは、この最悪の現状を作った原因の張本人。


彼女、綾女(あやめ)とは中学から一緒の親友。
ゆるく巻かれた黒髪に、クリッとした二重の目。



そして、豊満な乳。
それは私に対する嫌みかと思うくらいに揺れる。



私には縁の無い揺れ。



「…待ってって、ぶつかったの綾女のせいだからね。人様に迷惑かけないでよ」



私の隣に並んだ綾女を横目で見た。
綾女は反省しているのか肩を落としてごめん〜と謝ってきた。



それがまた可愛くて。
本人には可愛いなんて言わないけど。


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