だんご虫ヒーロー。
「…私、ああいう人嫌いだし」
綾女には申し訳ないけど、あんなチャラ男のどこがいいのか全く分からない。
恋人になったって飽きて捨てそう。
そして新しい女は選り取り見取り、みたいな?
しかもあの上辺だけの笑顔。
周りの女子生徒をなんとも思ってない証拠だ。
そんなこと考えただけで吐き気がする。
「そっか。確かに李ああいうチャラ男好きじゃないよねー。でも1年で芹田先輩と話せるなんて奇跡に近いよ!」
「かっこいい」と自分で言っときながら、「チャラ男」と言ってる綾女。
あの先輩をかっこいいと思っているのか、タイプじゃないのかよく分からない。
まぁ、まとめるとあの芹田先輩という人は学校一のイケメンで女をたぶらかしてるチャラ男ということ。
一応知っておくけど、きっと私とはこれっきり関わることはないだろう。
というか関わられると周りの女子生徒の視線が痛くなるから、関わらないでほしいのが本音だった。