キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
「……っ……」
思わず頬を伝った、一筋の涙。
グスッと鼻を啜ると、蓮さんが荒々しく雑誌をソファに投げつけ、不機嫌オーラ全開でこちらに歩いて来た。
処女のくせに、泣くんじゃねぇとか思ってるんだ、きっと……
勝手な想像でますます瞳を濡らしていると、蓮さんがベッドに上がり私の正面に胡座をかいて座る。
そしてため息をつきながら、私の頭にふわりと大きな手を乗せた。
「んっとに、すぐ泣くなお前は……」
「ご……め、なさ……っ」
蓮さん、呆れてる……
どうしよう。こんなんじゃ嫌われちゃうよ……
「――――俺はお前に背中を向けて寝る。その後はくっつくなりなんなり好きなようにしろ」
「え……?」
「聞き返すんじゃねーよ。……仕方がねぇから理性でなんとか抑えるっつってんだ」
ほら、寝るぞ。と言って、蓮さんがリモコンで照明を落とす。
そして宣言通り私に背を向け布団に入った彼に、私はじりじりと近寄ってその背中にぴとっと頬を寄せた。