キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
「あったかい……」
自然と口からこぼれた言葉に、蓮さんが返すのはやっぱり意地悪な言葉。
「……当たり前だろ、人間なんだから」
「蓮さんだからです……きっと」
既に半分夢の中の私は、無意識にそんな言葉を呟いていた。
「……カンナ。明日も見送ってくれるのか?」
「もちろんです」
「なら早く寝ろ。明日は今日より早い」
「……はい。蓮さん、おやすみなさい」
「…………ああ」
トクン、トクンと背中越しに伝わる鼓動が心地いい。
「蓮、さん……」
深い眠りに落ちる直前、全身をあたたかいものに包まれる感覚がして……
とても幸せな温もりの中で、私の意識は途切れた。