キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編


夜眠る前、今日はお互いの顔が見えるよう向かい合って横になりながら私と蓮さんは話をしていた。


「――パーティ?」

「……ああ。会社のお偉いさんばっかの堅苦しいパーティだ。……お前はどうする?」

「どうする、って……私、関係者でもないのに行っていいんですか?」

「……充分関係者だろーが」

「…………?」


父の会社が来葉銀行に多額の融資を受けることは決まっているけれど……

それってパーティに呼ばれるような関係ではないよね?

いつまでも首をかしげる私に、蓮さんが面倒くさそうにため息を吐いてから言う。


「……お前は俺の婚約者だろ」


そして布団の中から出てきた手が、私の髪をゆっくりと梳く。


婚約者とは言っても、親同士が決めたことであって、蓮さんは乗り気じゃなかったはず……


だけど、私自惚れてもいいの?

そんなに優しい目をして。

愛しそうに髪に触れて。

もう一方の手は、私の手に指を絡ませ布団の中で繋がっている。


その行動は全部、蓮さんが私を、心からの結婚相手として想ってくれているからだって……

自惚れて……いいのかな。

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