キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
さっき「俺の婚約者だろ」と強気に言っていたけれど……
やっぱり気持ちの面ではまだ不安が多いんだ。
執事さんに聞いた彼の過去を思えば当然かもしれない。
少しショックではあるけど、彼を待ってあげたいという気持ちの方が勝ってる。
人を好きになるって、こんなに優しい気持ちになることなんだ。
それを初めて教えてくれたあなたの為なら、私はいつまででも待ちます……
「わかりました。蓮さんの心が定まるまで……私、待ちます」
「カンナ……悪い」
「謝らないで下さい。そんなの蓮さんらしくないですよ?」
そう言って悪戯っぽく彼を見つめると、蓮さんはふっと微笑んで私の頭を撫でた。
「敵わねぇな……お前には」