キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
挨拶も一段落し、緊張の解けた私はワインを何杯も飲んでいた。
「カンナちゃん、少し飲みすぎなんじゃ……」
蓮さんが席を外している間に側に来てくれた蘭さんが、心配そうに私の顔を覗き込む。
うーん、そろそろ止めようかな……
でもこのワイン、すっごく美味しいのよね……
「酔いつぶれたりすると、蓮の奴がうるさいんじゃないか?きみを狙う輩がここぞとばかりに近づくだろうから……」
「大丈夫れす……私、蓮さんにしか興味ありません、から……」
あれ?どうしたのかな……
上手く喋れないし、頭がフラフラする。
それにすっごく眠い……
やっぱり飲みすぎたのかも……
「――そんな無防備ではすぐに悪い狼につかまってしまうよ?
……カンナちゃん、実は蓮が今夜きみと泊まるための部屋を取っているんだ。そこで休んだ方がいいんじゃないか?」
「ん……そ、れすね」
「僕が送るよ……さぁつかまって」
そうして蘭さんの香りが近づいてきたことから先は、記憶が曖昧だ。
雲の上にいるみたいにふわふわ心地いい場所に寝かされて、しばらくすると蓮さんの顔が間近に迫ってきた気がした。
「蓮、さん……」