キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
5◇お前のカラダは俺のだ
「カンナ様にそこまでしていただく訳には……私が蓮様に叱られてしまいます」
「いいの!私がやりたいんだもの。蓮さんにもそう言えばいいわ」
「……わかりました。では、お願いします」
執事さんの背中を見送って、私が向き直ったのは四ノ宮家のバスルーム。
料理の腕はイマイチ、裁縫に関しては目も当てられないほど下手な私だけれど、実は掃除が大好きで、この家のお風呂掃除をやらせてもらえるよう頼んだのだ。
「さて!やりますか」
蓮さんや蘭さんが疲れて帰って来たときに、気持ちよくお風呂を使ってもらえますように……
そんな願いを込めながら、バスルームをくまなく磨いていく。
そして額に汗がうっすらと滲んできた頃、全ての場所をピカピカにすることができた。
「――終わりました!」
執事さんの所にそれを報告しに行くと、彼は柔らかく微笑みながらこんなことを言った。
「お疲れさまです。せっかくご自分で綺麗にされたのですから、今日は一番にお風呂を頂いたらいかがですか?
汗もかかれたでしょうし……」