キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
執事さんのお言葉に甘えて、私はまだ明るい午後の陽が差し込むバスルームで、汗を流していた。
蓮さんと蘭さんのために掃除したのに、私が一番に汚すことになるなんてね。
でも、汗をかいていたのは確かだし、シャワーのお湯がキラキラ太陽の光を反射するのがとても綺麗。
なんだか贅沢な時間を過ごさせてもらっちゃった……
きゅ、とシャワーの栓を閉めて、私の家のものよりかなり広いバスタブにゆっくり足を浸ける。
「はぁ……極楽極楽」
肩まで身を沈めてそう呟き、しばらくぼんやりしていた私だけど。
にわかに脱衣所の方で物音がし始めたので、不思議に思って磨りガラス方を振り返る。
執事さん……?
何か脱衣所に用でもあるのかな?
そんな呑気な思いは、ガラスの向こうに浮かび上がったシルエットを見て一瞬で吹き飛んだ。
――長身の男の人の肌色。
まま、まさか蓮さんか蘭さん!?
なんでこんな時間に家にいるの!?しかも何故お風呂に!!
どうしよう〜〜〜〜!!
慌てて視線を一周させるけど、隠れる場所なんてどこにもない。
目の前で湯気をたてる、バスタブ以外には。