キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
「は、離して……っ」
「大人なんだろ?だったらこれくらい何てことないはずだ」
蓮さんの顔が近づいてきて、頬に彼の吐息がかかる。
「や、やだ……っ!」
このままじゃキスされちゃう……っ!そうだ、足が自由だわ……
私はいつもよりヒールの高い靴を履いた足を蓮さんに気づかれないよう上げると、そのまま力一杯彼の足を踏みつけた。
「いって……っ!」
私の腕は解放され、蓮さんは足を押さえてその場にうずくまる。
「お前……なにすんだよ」
「それはこっちの台詞です……!いきなりあんなことされて怒らない女性がいたら会ってみたいわ!」
それに何より……
実は私にはまだ、キスの経験が一度もないのだ。
だからファーストキスをこんな風に奪われるなんて、絶対にいや……!!