キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
目を開くと、見慣れた天井が目に入ってきた。
ここは蓮さんの部屋……?
――違う。つくりは一緒だけれど、部屋の雰囲気が……何より、この甘い香りは蘭さんのもの。
「よかった……目を覚ましてくれて。ごめんね、僕が急に入ってきたからあんな場所に隠れていたんだよね……」
ゆっくり瞬きをしながら、蘭さんの言葉を頭の中で整理する。
そっか、お風呂に入ってきた影は蓮さんじゃなくて蘭さんだったんだ……
それで、息の続かなくなった私を助けてくれた……のかな。
「不可抗力とはいえ、キミの美しい体を断りもなく見てしまって……申し訳ない」
え……ウツクシイカラダ?
「キャー!!」
がばっと飛び起きて体を隠そうとしたけど、私はすでに部屋着に着替えさせられた後だった。
まさか、それも蘭さんが……?
「ごめん。蓮はまだ帰っていないし、執事にやらせる訳にはいかないし……勝手に僕が着替えさせてしまったんだ。それからもうひとつ……」
言いながら、蓮さんと同じだけれどより洗練された美しさを持つ顔が近づいてきて、私の胸がドキンと音を立てる。