キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
「蘭さん……ごめんなさい。実は昨日、あのひねくれ者の蓮さんが私のこと“俺の手で幸せにしてみせる”って、約束してくれたんです。
だから私は、蓮さんを信じて彼の手で幸せにしてもらおうと思うんです」
「……そう、か」
ほんの少し表情を翳らせた蘭さんだったけれど、すぐにいつもの優しい笑みに戻って、私に言う。
「負け惜しみじゃなく、心から言わせてもらう。……蓮と幸せにね」
「はい!ありがとうございます」
蘭さんの優しさに感謝しながら、私もにっこり微笑んだ。
今日は外回りが多くて汗をかき、本当は仕事の合間にシャワーを浴びに来ただけだった蘭さんはほどなく銀行へ戻って行った。
私も執事さんに何か仕事がないかと尋ねに行き、蓮さんが帰ってくるまでの間、今日はアイロンがけとお味噌汁作りに精を出していた。