キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
「だって、蓮さんのことが好きだから」
自分でも顔が赤くなっているのがわかるけど、今伝えたい、と思った。
あなたが好き……だから勇気を出して、あなたのすべてを受け入れたい。
そんな想いを……
「……無理するなよ?」
「少しなら、しちゃうかも、です……蓮さんのために」
「お前な……」
蓮さんの腕が私の背中を引き寄せると、そのまま彼はきつく私を抱き締めた。
そして耳元で、私にしか聞こえない小さな声でささやく。
「あまり俺を煽るようなことを言うと、明日後悔することになるぞ」
言い終えると同時に彼が私の耳のふちにカリ、と噛みついたので、私はビクッと身体を震わせて肩をすくめた。
「感度は良好。……明日が楽しみだ」
そう言って不敵に微笑んだ蓮さんは、着替えを持つとお風呂に入るために部屋を出て行った。
やっといつもの意地悪な彼に戻ってくれたようで安心はしたけど……
私は甘い痛みの残る耳に触れ、ドキドキと高鳴る心臓の音を聞く。
明日までに覚悟なんて本当にできるのかな。
はじめては痛いって本当かな……
もう立派な大人の女なのに、女子高生みたいなことで悩む自分が情けなかった。
でも、蓮さんが一緒だもん……きっと素敵な時間になるよね?
ああもう、あれこれ悩む前に寝てしまおう。
そう思った私は、蓮さんがお風呂から戻ってくる前にもう布団にもぐりこみ、目を閉じているといつの間にか眠ってしまっていた。