キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
「どうせ政略結婚だろ?お互い気持ちがないんだから、キスしたいときにして、ヤりたいときにヤる。そーいう関係でいいんじゃねーの」
「……そんなのっ!!」
夫婦じゃない……!
たとえ好き合って結婚したんじゃなくても、私は蓮さんが自慢できるような妻になりたいし、蓮さんの支えになりたいと思う。
夫婦って、そういうものじゃないの……?
「……お前、泣いてんの?」
「え……?」
指で目尻に触れると、そこは冷たく濡れていた。
わ、私ったら、なんで……
「……やっぱ、女って面倒くせぇ……」
蓮さんはそう言って立ち上がると、クローゼットからいくつかの衣類を取り出して私の方へ放った。
「風呂入ってその陰気くさい顔なんとかして来い」
あ……これ、私のための着替えか。それにしても……
「陰気くさいって……」
「何か文句あるか」
「……お風呂、行ってきます」
「ああ」
部屋を出た私は、扉に寄りかかってため息をついた。
こんな雰囲気で、本当に蓮さんと一週間も同じ部屋で生活できるのかしら?
あぁ、先が思いやられる……