キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
「わぁ……キレイ」
蓮さんは、まず海沿いの大きな公園に私を連れてきた。
天気の良い今日は、たくさんの宝石を散りばめたように水面が光っていて、眩しいけれどとっても綺麗。
風が強くて少し肌寒いのは、蓮さんが隣にいるから平気だ。
私たちは近くにあったベンチに座り、そっと身を寄せ合う。
「素敵なところに連れてきてくれて、ありがとうございます」
蓮さんの肩に少しだけもたれさせてもらいながら、私はそう言った。
すると彼は、ずっと繋いだままだった手をほどいて私の頭を自分の方へぐっと引き寄せ、髪に軽くキスしてからささやく。
「こんな場所で喜んでくれる女はお前が初めてだ……こんな、何にもない場所で……」
「……だって、蓮さんが隣にいます」
「本当に、バカな女だ……」
「……はい。バカだから、もらってくれる人はあなたしかいません」
「……カンナ」
自然と私たちの視線は絡み合い、蓮さんの顔が近づいてくると私は瞳を閉じた。
優しく重なった二つの唇。
遠くで船の汽笛が聞こえる。
肌寒いと感じていた海風を心地よく感じるほど、蓮さんのくれるキスは私の体を一気に熱くさせた。