キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
ゆっくり唇が離れると、愛しそうに私を見つめる蓮さんが言った。
「カンナ。昨日言ってた“覚悟”ってやつはちゃんとできたのか……?」
その質問の意味はつまり、蓮さんは今まさに私を欲してくれているということだろう。
覚悟は、ちゃんと決まっている。
私ははにかみながら、小さく頷いた。
「家でも悪くはないが、蘭の奴に聞き耳でも立てられたら困るからな……この近くに海の見えるホテルがあるんだ。そこへお前を連れていってもいいか?」
「はい……」
私たちは公園を後にし、手を繋ぎながら無言で歩いた。
ものすごくドキドキしていて周りがよく見えていなかった私は、目の前で知り合いが立ち止まって私を待っていたことに気がつかなかった。