キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
「……カンナ。本当にこんな俺でいいのか……」
「蓮さんじゃなきゃダメなんです。意地悪で不器用で、でも本当は繊細で優しくて。……私はもう、蓮さんなしじゃ生きられない」
私が言うと、蓮さんが私の腰をぐっと引き寄せて唇を合わせてきた。
ここ、玄関先、です……
そう思うのに、蓮さんが唇の角度を変え私を啄む度、濃密な甘いため息が零れてしまう。
同時に体は火照り、お腹の奥がきゅう、と反応するのがわかった。
「……海の見えるホテルじゃねぇけど……部屋、行くか?」
言葉を発したら恥ずかしい声が出てしまいそうな気がして、私はコクコク頷くことで自分の気持ちを示した。
蓮さんはそんな私を見て微笑し、耳元で囁く。
「――俺に溺れさせてやる」
ドキン、と心臓が跳ね上がり、蓮さんに手を引かれて部屋に連れていかれる。
すぐにベッドに倒されて、蓮さんが私に覆い被さった。
その肩越しに見える部屋の景色が、何故だかいつもと違うように見える。
なんだか私、今とても優しい気持ち……
ぼんやりそう思っていたら、蓮さんの熱い口づけが雨のように降り注いだ。