キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
7◇いつも笑っとけ
翌日も休みだった蓮さんは、私を連れてある場所へとやってきた。
自動ドアをくぐると、お店中のガラスケースの中で光るのはたくさんのアクセサリー。
そう、私たちはジュエリーショップに来たのだ。理由はもちろん……
「コイツに似合う婚約指輪を探しに来た」
蓮さんは、品の良さそうな女性店員さんにそう言い、あれこれ注文をつけていた。
その間、私はガラスケースを覗いてぎょっとしていた。
値段を示すプレートに書かれた数字は、頭がクラクラしてしまいそうなほど0が並んでいる。
私だって少しくらいいいものを買ったことはあるけど、それとは桁違い。
きっとこのお店、すっごく高級なんだ……
「――カンナ」
「は、はいっ!」
「今お前、値段気にしてたろ」
「……はい。こんなお店で買ってもらうの、悪いなって……」
「本当に欲がねぇなお前は……そういう奴にこそ、とびきりいいものをプレゼントしたくなる」
蓮さんはそう言って、何か企んでいるような不敵な笑みを浮かべた。