キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
2◆まあまあだな
「――――おい」
……蓮さんの不機嫌そうな声がする。
また怒ってるのかな……
やだなぁ……
「おい、カンナ」
あ、私のこと名前で呼んでくれた。
本物の夫婦に向けて、一歩前進……?
昨日はなんといきなり、同じベッドで眠ったわけだしね……
「――――襲うぞコラ」
「……ふぇ?」
重たい瞼を引き上げると、そこには蓮さんのキレイなお顔のドアップが。
「あ、お、おはようございます……」
「そんな悠長に挨拶してる場合かよ。自分の格好見てみ?」
格好?――――――あ。
「い、いやっ!!蓮さんそこどいて下さいっ!!」
「俺を誘ってたんじゃねぇのかよ?」
「そんなわけないでしょーがっ!!」
「……そりゃ残念」
ギッと音を立てて蓮さんが退いたのを確認すると、寝ている間にはだけてウエスト部分まで捲れ上がっていたルームウエアのワンピースを、ぱぱっと元に戻した。
「……み、見ちゃいました、よね?」
「ピンクのフリル?」
「いやぁぁ!忘れてください!」
私は布団を頭からかぶって、蓮さんの視線から逃れる。
西園寺カンナ、一生の不覚…!
嫁入り前の乙女のパンツを、あんなみっともない形で晒すなんて……!