キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
「コイツにはピンクがよく似合うんだ。だからこのダイヤの周りに、小さくていいからピンクダイヤも入れてくれないか?」
「かしこまりました。それでは……」
ガラスケースの向こうで、カチカチ、と電卓を叩く音がする。
あんなに大きなダイヤの周りに、さらにピンクダイヤ?
しかもそんな我が儘を聞いてもらってるってことは、完全にオーダーメイドってことだよね?
一体、いくらになっちゃうんだろう……
「できました。価格の方ですが……」
「ちょっと待ってくれ。コイツには見せないでもらいたい。変な遠慮する女なんでね」
――え。
「かしこまりました」
待って待って!!私も見たい!!
ずい、と身を乗りだそうとすると、蓮さんが片手でそれを制して私を仲間はずれにした。
「――なるほど。じゃあそれでお願いしたい」
「ありがとうございます。後程詳しいデザインをお作りしますので、一週間後にまたご来店頂き、ご一緒に確認していただければと思います」
「ああ。わかった」