キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
ランチにと入ったフランス料理のビストロで、私は運ばれてきた食事に口をつけずに俯いていた。
「……オイ、何怒ってんだよ」
「別に怒ってる訳じゃ……」
「じゃあその顔は何だ」
「……指輪、高そうだったから」
ぼそりと呟くと、蓮さんが呆れたようにため息をついたのが聞こえた。
「高くて何が悪い」
「悪くはないです、けど……私、もっと色々な指輪を見てみたかったんです……宝石は小さくても、プラチナの細工が凝ったものとかあったでしょう?」
一生に一度しか貰うことのない指輪だもの。女の子はたくさん悩みたいんだよ……
「……お前に選ばせなかったのは悪いと思ってる。でも……」