キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
「カンナ……」
愛しそうにそう呼んだ蓮さんが、私の胸の膨らみに手を置いた瞬間―――……
ドンドンと、部屋の扉がノックされた。
「蓮、カンナちゃん。食事の用意ができたそうだ。悪いが続きはまた後にしてくれないか?」
ら、蘭さんの声……!!
しかも今の言い方、私たちが何してたか気づいてる……!?
「ったく空気の読めねぇ奴だな……」
蓮さんが苦々しく言えば、扉の向こうから反論の声が返ってくる。
「聞こえてるぞ蓮!今日は仕方ないだろ、カンナちゃんの最後の夜だからと、執事が腕によりをかけてたくさんの料理を作ってくれたんだ。主役がいないんじゃ彼もがっかりする」
腕によりをかけたお料理……
その言葉に反応したかのように、私のお腹が急にぐうと鳴った。
至近距離にいる蓮さんにも当然聞こえてしまい、彼は苦笑しながら髪をかきあげると私の身体をゆっくり起こしてくれた。
「……行くか。お前も腹減ってるみたいだし」
「――そうですね!」
私たちは手を繋ぎ、一緒に立ち上がる。
最後の夕食会はとても楽しくて、蘭さんも蓮さんもよく笑った。
そして部屋に帰ると、私たちは最後の夜に相応しく、何度もお互いを求めあったのだった――。