キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
8◆ありがとう
初対面から私を気に入ってくれていた蓮さんのお父様はもちろん、蓮さんに対してあまり良い印象を抱いてなかったお父さんも、私の話を聞くと結婚を喜んでくれた。
両家への挨拶、今どき珍しい大々的な結納、そして結婚式の準備も滞りなく進み、迎えたある晴れた秋の日――……
私は純白のウエディングドレスに身を包み、父の腕につかまってバージンロードを一歩一歩進む。
視線の先には、私の初恋の相手……これから夫となる、意地悪な彼が今日は優しい笑みを浮かべて私を待っている。
父の腕から手を離し、その手は愛しい彼の手にそっと包まれた。
色とりどりの花が飾られたガーデンチャペルに、私たちを祝福する太陽の光が注がれる。
そんな神聖な雰囲気の中、私たちは誓いの言葉を述べて、本物の夫婦となった。
彼が私のベールに手を掛ける。
私は感動で潤んだ瞳に一度彼を映し、そしてそっと瞼を閉じた。