キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
一瞬だけ唇が触れたあと、彼が私にだけ聞こえるように耳元で囁いた。
「――ありがとう。俺に幸せを教えてくれて」
「蓮、さん――……」
お化粧が崩れてしまうからと我慢していたものが込み上げて、私は涙の花嫁となった。
政略結婚のために出逢った私たち。
最悪だった第一印象。
でもそれもきっと、私たちのために神様が用意してくれた運命だったんだね……
いつまでも泣いてばかりいる私を、蓮さんの逞しい腕が引っ張る。
「俺の隣で笑っとけって言ったろ?」
そう言われて何とか顔を上げると、その先ではたくさんの参列者の笑顔と、フラワーシャワーが私たちを待っている。
私たちは足並みを揃え、その幸福の雨の中へと、飛び込んで行った――。
-四ノ宮 蓮編 happy end-