キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編
『朝食を食べながらゆっくりお話ししましょうか』
執事さんにそう言われて、ダイニングに移動した私。
焼きたてのトーストにふわふわのスクランブルエッグ、彩り豊かなサラダ、あったかいカフェオレ……
執事さんが用意してくれたそれらを目の前にしたら私のお腹がぐうと鳴った。
「どうぞ、召し上がってください」
「はい、いただきます」
昨日の夕食は緊張してあまり入らなかったから、私は充実した朝ごはんが嬉しくてぱくぱく料理を口に運ぶ。
その様子をにこにこしながら見ていた執事さんは、私にコーヒーのお代わりを注いだときに、さっきの話の続きを静かに語り始めた。
「蓮様には、高校生時代にたいそう仲のよいお嬢さんがいましてね……」
私は口の中のものをごくりと飲み込むと、彼の話に耳を傾けた。
「何度かこの屋敷に連れてこられたこともあって、二人を見ていると蓮様が彼女を本気で想っていられるんだとよくわかりました。しかし……」
執事さんの表情が曇る。