再生ゲーム・山田拓也のエンディング
 やっと手に入れた幸せのお陰で、消失したはずの不愉快な記憶が表に現れる。


そうだ、消えていたわけではないんだ。ひっそりと影を隠していただけだった。


――なんて俺は馬鹿なんだ……。


「大丈夫……拓也さん? タクシーが止まってくれたわよ。早く乗り込みましょう?」


「ああ……目黒南東第二小学校に突き当たったら右折してください、急いでますので飛ばし下さい」


バタンとドアは閉まり、言われるままに勢い良く走り出した。
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