サクラ咲く
「開けていいか?」


落ち着こうとしているのか、ソファに力なく座り込み、聞いておきながら勝手に包装を開け始める。



「カフス…とタイピン?」


「はい…すみません、センスなくて…男の人にプレゼントとかしたことなくて。」



如月は開けた箱を握りしめて項垂れる。


気に…いらなかったのかな。
失敗?色がダメ?カフスがダメ?でもカフスしてたよね、あ、じゃあ嫌いなブランドだったとか。


「理性が吹っ飛ぶだろうが!」


腕を引かれ再び抱き寄せられる。

「サンキュ、かのこ。大切にする。」

耳元で囁く低い声にぞくりとする。


「早く俺の女になれ…理性がなくなる、こんなことされたら。」


いやいやいや、プレゼント送ったら理性がなくなるとかおかしいでしょ⁉︎



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