サクラ咲く
何が怖いか。


なんだろう。


手に入れた後で失う事の怖さ。


タテマエか。


本音は…可愛くない自分をさらけ出して嫌われるのが怖いから。


初めて好きになった人なのだ。


まだ、好きと伝えてすらいない。


怖がるかのこを気遣って、キスすら躊躇う男なのだ。

優しい人。


だから…怖い。


如月に嫌われたら生きて行けなくなりそうで。


裸の自分をさらけ出すことが出来ない。


見た目とかそういった意味じゃなく、とにかく内面を見せることができない。



そんなの、美那に相談したって理解してもらえるはずないのだ。



「抱きしめられたらね、わかるんだよ。彼氏が自分を欲しがってくれてるかどうか。かのちゃんの彼氏、大ちゃんと同い年でしょ?我慢させるの可哀想だよ。」



欲情してるかどうかわかるの?


どうやって?


可哀想?

なんで?


全部わからない。


男の人の生理的なことも、女のそういうのも。



如月さんが側にいるだけで幸せなの。


他に何もいらないくらいに。



身体の関係は必要なの?


美那に何を言われても、ちっとも理解できないままだった。



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