君がいれば
目を向けた先には、
ソナタの今にも泣きそうな顔。



__キーン...



チャイムの音が鳴ろうとして、
僕は心を振り切って教室の前を走り去った。



H組の前に戻るころには
息もあがっている。



しかし、
教室の前で立ち止まってしまった。


A組の方へ目をやると、
窓際のソナタが見えた。


小さく映る、その姿。



さっきの、あの目つき。

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