侍先生!
タイミング良く、明日は登校日なのでさりげなーく聞けるように予行練習しておいた。


そして、気合を入れる為に腹筋と背筋を十回づつ行った。


そして向かえた登校日。
教室に入って席に着く。


ほんのり小麦色になった皐月を見て、夏休みは色んな所に行ったんだなぁ、と羨ましい目で見ていた。


「なによ、人の顔ジロジロ見て」


別に~と受け流して、和也くんの方を見る。


和也くんも小麦色になっていた。
カップルっていうのは、いいよなぁなんて思っていた。


私は登校日に提出する宿題を出して、先生が来るのを待っていた。


登校日に何をするのかと思えば、連絡事項や、自主補習の申し込みなんどを連絡するくらいだった。


二時間程度で終わり、皆はバラバラと帰っていく。


私は、タイミングをはかりつつ、先生に聞こうと思ったのに、今までまったくタイミングをつかめなかった…。と、ガックリ肩を落とす。



「姫条!」


先生の声がして、ハッと顔を上げて、席を立った。


「ななななな、なんですか? 侍先生」


「何どもってんだ? ちょっと手伝ってもらえるか?」


チャンス到来!?私は大きく頷いた。
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