侍先生!
「でも先生、なんで私?」


「お前ならコキ使えるし」


「安くないですよ」


「じゃあ、いちごミルク買ってやるよ」


私は万歳してよろこんだ。


…って、喜んでる場合じゃない!
ちゃんと先生に聞かないと!


私は意気込んで資料室に向かった。


「新学期に入ったらまた新しい所を勉強するんだけど、なんかややこしいかもしれないから、図解みたいなの作りたいんだよ。 お前、日本史得意なんだったら、分かりやすく作れるだろ?」


「まっかせといてくださーい!」


私は大きめの紙に、マジックで大雑把に書いていく。


「まずは下書きしてからにしてくれよ…」


書き直しになったのは言うまでも無い。


「そういえば、あともうちょっとで夏休みは終わりだな。 宿題は終わったか?」


「ヒマ人を舐めないで下さいよ。 もう全部終わってます」


私が自信たっぷりにそう言うと先生は、そうか、と笑った。


「日本史以外はまったく分からなかったので、カツオに教えてもらいましたよ」


そう言うと、先生の眉毛がピクッと動く。


「う、写してないよ!? 教えてもらっただけで! アイツもヒマ人なんですよ!」


先生はクスッと笑った。
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