侍先生!
「そうなんですか。 より戻したの?」


「…いや」


いや?って事は、戻ってないの?


「指輪返しにきただけ」


先生は悲しい顔をしているのに、内心喜んでる自分を殴りたくなってくる。


「そ、そっかー」


何を言えばいいのか分からなくて、こんな風にしか言えなかった。


「ヒマなら、デートするか」


「へ?」


「俺とお前で」


先生は私の目をまっすぐ見て言った。


私は顔を真っ赤にして、しばらく硬直していたが、正気に戻って、答える。


「い、行く!」


「じゃあ、決まりだな」


先生は笑ってそう言った。
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