侍先生!
「でも、ひとつ交換条件がある」


先生がそう言うと、私はなんですか?と先生に聞く。


先生とデートできるなら、どんな交換条件でものむよ!


「俺の質問に、答えてほしい」


先生の顔は、なんだか本気だった。


もしかして、体育祭の時、真帆さんと会ったの、見られてたとか…?


そんな筈、無いよね。
それならすぐに聞く筈。


私は考え込んだあと、少しためらいながらも大きく頷いた。


「本当の事を話せよ?」


「はいっ」


私は多少怯えつつも、先生の目を見た。


もしかしたら、内容によっては、先生とのデートに行けないかもしれない。


「絶対だぞ?」


「ちょ、分かってますって! じらさないで下さいよ! 早く言ってくださいー!」


私が地団駄を踏んでそう言うと、先生はまっすぐ私の目を見た。


「お前、さ」


私は小さく頷いて、先生の目をじっと見ていた。



「森本の事が好きなんじゃ、ないの?」


少し寂しそうな、先生の顔。私が、カツオの事を?
先生は、何でそんな事、思ったの?
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