侍先生!
第三章

デート

あまりにも驚いて、何にも言えなかった。


先生、それは勘違いだよ、って言いたかったけど。
先生は、私が先生の事を好きだって、分かってくれてると思ってたのに。


なんか、悲しくなってしまった私は、そのまま何も言えなくて。


来週の月曜日から、先生は少し休みをもらうみたいで、月曜日の日にデートに行く事になった。


私、何も答えてないけど…先生はあのあと、『変な事聞いたな、気にしないでくれ』って、なんだか変な笑い方してたような気がする。


月曜日、嬉しいけど、憂鬱な気もするな。


ヒマをしていると、月曜日まですぐ時間が経ってしまっていた。


私は、少し花柄のついた白いワンピースを着て、待ち合わせ場所に向う。


先生は、もうすでに着いていた。


「よ。 さて、どこ行くか?」


「え? 決めてないんですか?」


「おう、お前の行きたい所でいいぞ」


行きたいところ…ねえ。


私は腕組みして考えた。
しばらくして、腰下あたりに、何かがぶつかり、見ると、そこには小さな男の子が立っていた。



「ごめんねー。 大丈夫?」



かがんで、その子の顔を見ると、どこかで見た事があるような顔だった。
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