侍先生!
「………あ――――!!」


「な、なんだっ」


私の叫び声に先生はビックリしていた。
だって、まさかそんな事があるなんて。


「この子…佐川守(さがわまもる)くんだよ! 先生!」


「なにっ!?」


佐川守くんとは、大河ドラマで信長の子供の頃、つまり吉法師の役をやっていた子だ。


「あ、ああああああ…握手してもらえますか?」


守くんはコクンと頷いて、握手をしてくれた。
私はテンションが上がって、ブンブンと腕を振り回して握手した。


「ちょ、ずるいぞ! 佐川守くん! お兄さんと握手してくれ!」


守くんはまた頷いて握手した。
握手が終わると、サーッっと去っていった。


「おぉう…。 今日は興奮して寝れない…」


私は手をみつめながらそう呟く。


「俺もだ、姫条」


二人して笑う。


なんか、すっごいテンションあがったよー。
ここ最近下がってたからなぁ。


なんて思っていた。


「じゃ、行くか」


「どこに?」


「涼しみに、水族館でも」


「おっ、いーね」


テンションの上がった私たちは、すぐ近くにある水族館に向かった。
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