侍先生!
しばらくすると、遊園地に到着。


中途半端な時間のせいか、人は多いような少ないような、よくわからない感じだった。


「侍先生、何乗ります?」


「んー、位置的にコーヒーカップかな」


い、位置的に?


「入口から近いだろ」


先生は入り口でもらったパンフレットを見て言う。


別にどこからでもいいのに。


私たちは一番目にコーヒーカップに乗る事にした。
赤い色のカップの中に座って、真ん中にある円盤をつかむ。


「あんまり回すなよ、酔うから」


先生がそう言ったのを聞いて、アナウンスが流れたあと、音楽が流れ、まわりだす。


「ちょ…お前! 回すなって!」


「わかりましたーなんて言うわけないじゃん」


にへー、と笑って、思いっきり円盤を回す。
先生は険しい顔をして、カップに捕まっていた。


「もういい! 俺が回すから、放せ!」


「いやだ!」


ギャーギャーと言い争いをしているうちに、コーヒーカップの動きが止まった。



「…酔った。 お前のせいだ」


「コーヒーカップは回してナンボでしょ!」


「じゃー、次はあれだ!」


先生が指刺したのは、この辺で一番恐いと言われるジェットコースター。


「えー、先生。 大丈夫なんですか?」


ニヤニヤして言うと、先生は鼻息を荒くして、「当たり前だろ!」と言った。
私たちはジェットコースターに向かい、順番待ちをすることになった。
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