侍先生!
「え~、でもちょっと面白そうじゃん」


和也くんは、笑ってそう言った。


「さすが和也くん! 名字が素晴らしいよ!!」


「うん、織田だけどね…。 褒めるとこ名字だけ?」


和也くんは苦笑いして、こほんと咳をして、こう言った。


「展示にしたら地味だけど、劇にしてみたら? きっと面白いと思うよ」


和也くんがそう言うと、みんながざわざわと騒ぎ出した。


「いいじゃん、面白そう」


「時代劇とか?」


「うんうん、いいねー」


なんてみんなが言っている。


「じゃ、候補に入れといて」


文化委員にそう言うと、和也くんは携帯をイジりだした。


…いいこと言ってくれるじゃん、和也くん!


「皐月、あんたいい彼氏持ったね」


「まったく、調子いいんだから」


皐月は小さく笑った。
< 131 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop