侍先生!
「なんだよ、俺が作ったモン食えるなんてめったにねーんだぞ?」


いらないもんはいらない。
私はそのまま無言でその場を去った。





「お前一人の手柄のような顔をしおって!!」


先生は台本を片手に、そう叫んだ。


放課後の教室で、台本を見つつ、練習をするのであった。


「の、信長様…」


くそー!信長がやりたかったのに!なんで光秀でいいって言ったんだ、私…。


自分に後悔しつつ、台本を読んでいく。


明石焼きくんは猿の役だそうで、結構サマになっている。


いい劇になるといいな、と思っていた時、先生が私に声をかけた。


「姫条、ちょっといいか?」


先生は、放課後残っていたクラスメイト達に、「ちょっと休憩」といったあと、教室を出た。


「なんですか?」


教室から少し遠ざかったあと、先生が足を止める。


もしや、真帆さんとの事?
ど、どうなったんだろう?


「お前、文化祭って徳川とまわるのか?」


「皐月と? 皐月は和也くんとまわるとおもいますけど」


「じゃあ、森本と?」


「カツオと? まっさか~」


「吉川と川崎?」


「別に約束してないです」


「そうか」


……?
先生、何が聞きたいの?
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