侍先生!
「森本に、告白されたんじゃないのか?」


「えっ!?」


「ほら、図星だ」


「な、なんで!?」


「なんとなく、そう思ったから」


な、なんとなくって…!先生はエスパーなの?


「返事は、したのか?」


「ううん、その時に先生が来たから・・・」


「そっか」


二人共沈黙して、その場に立ち尽くす。


返事は、もう決まっている。
私が本当に好きなのは、先生なんだから。


「わ、私…カツオのとこに行ってきますね」


答えが出てるなら、返事は早い方がいい。


そう思った。


走り出そうとすると、腕がやけに重い。
先生の手が、私の腕を掴んでいる。



「侍先生?」


「…なんでもない。 早く行って来い」


そう言って腕を放す、先生の手。
私は首を傾げながら、走り出した。
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