侍先生!

-先生SIDE-

姫条は、森本の事が好きなんじゃないかという疑惑と、モヤモヤした気持ちを残したまま、姫条とデートの日を迎えた。


白いワンピースが意外に似合っていて、少しドキッとした。


て、相手はあの姫条なのに。


場所はまだ決めてないと言うと、姫条は膨れっ面をしていたが、そのあと大河ドラマで吉法師役をしていた佐川守くんに会って二人でテンションが上がった。


そのあと行った水族館でも、信長役の糸田賢治にも会った。


「先生、今日は信長DAYでハッピーDAYですね!」


って姫条が嬉しそうに笑って言っていた。
まさか、二人でいる時にあえるなんて。

俺もつられて笑ってしまった。


ハンバーガーを食べながら、姫条が父親の話をしてきた。


どうしても、こいつに親の話をした事を思い出せないんだが…話したっけ?
まあ、別に隠すつもりはないからいいんだけどな。


父親の話が終わると、姫条はハンバーガーを置いてこう言った。


「私、先生に隠してた事があります。私、体育祭の日に…真帆さんに会ったんです」


へ?体育祭の日?
真帆が?


もう別れたあと…だったよな?
なんで来たんだろう。


「お前と、真帆が…体育祭の日に?」


「はい、真帆さん…学校に来てたんです。 真帆さんと約束したんです。 絶対話さないって。 …でも、どうしても先生に伝えたくて……真帆さんは、先生の事が嫌いになったわけじゃないです。 まだ、好きだと思います」


なんで、真帆が姫条に…って、前に会ったからか。


確かに、真帆が俺に別れを告げたとき、なんかワケがありげな感じはしてたような気がする。


俺は姫条から目をそらし、海を見ながら考えていた。


「あと…、どうでもいいけもしれませんが、私はカツオの事、お兄ちゃんみたいに思ってます。 好きだけど、そう言う好きじゃなくて…。 私は、侍先生が好きですから!」


…えっ!?


俺はビックリして姫条の顔を見た。
よくよく考えたら、姫条にはっきり好きだとか言われてなかったんだった。
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