侍先生!
さっきの、告白。気になるなぁ。


先生は、何とも思ってないのかな?
もしかして、告白なれしてるとか?


「さっき、なんで断っちゃったんですか?」


私がそう聞くと、先生は、困った顔をしてこう言った。


「ああ、俺、彼女いるからね。」


「え!?」


「そんな驚く事か?」


「え? いや、だって…」


ポロ、と、涙がこぼれた。


…あれ?私泣いてるんだ。


「姫条?どうした?」


先生が、心配そうに私の顔を覗きこむ。


「ショックで…」


「ショック?」


先生は、ハッとしたような顔をして、また、困った顔をして、自分の髪の毛をクシャッとかいた。


「泣くな、姫条。 今回はお前に、信長役をやらせてやる!」


「い、いらないよぉ~。」


「今日は特別! 吉法師の頃からやってやる!」


「…ほんとに?」


「本当だ。 だから、泣きやめ、なっ?」


先生は、ニコッと笑って、私の頭を撫でた。
私の涙は、自然に止まって、先生と二人で、笑った。
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